今週、職場でAndroidデバイスから印刷するソリューションについて来週、プレゼンテーションとデモを行ってほしいという依頼がありました。ウチの会社の本社である日本、そして開発拠点の一つであるヨーロッパ、それぞれのAndroidからの印刷ソリューションを利用してプレゼンを行う事にして、早速準備をしていました。
AndroidデバイスとプリンタはWi-Fi、Bluetooth、場合によってはUSBインタフェースでの接続なのですが、一番手軽なのはやはりBluetooth。Androidを用いたソリューション提案では主にデバイスとプリンタを持ち歩いて印刷するニーズが多いので、ペアリングさえすればIPアドレスやアクセスポイントの圏内外を気にせず使えるBluetoothに注目が集まります。
プレゼンテーションの準備は既存の資料から必要なスライドを抜粋、適宜アジア・パシフィック地域用に編集して終了。
いざデモンストレーションの為、ウチが持っているHTC One Xへソフトウェアをインストールして試した所、Bluetoothインタフェースでのプリンタ接続に非常に時間がかかる事が判明。ヨーロッパで開発されたソフトウェアは接続と印刷が出来たのですが、日本で開発されたソフトウェアについては接続時にタイムアウトが発生して印刷できず。早速、日本で開発に携わっている人に連絡をして調査した結果、Bluetoothインタフェースでの接続タイムアウトを大幅に大きくする事で解決できました。
その際になぜ接続に長い時間がかかるか調べた結果、HTC One Xに搭載されているBluetoothインタフェースが4.0で、ソフトウェアはBluetoothインタフェース2.1ないしは3.0に基づいて開発されている為である可能性が考えられました。果たしてこれが真の原因かはこれから更に調べなければならないのですが、Bluetooth 3.0と4.0について調べてみた結果、次のような事がわかりました。
- Bluetooth 3.0は従来のBluetooth規格と後方互換性あり。
- Bluetooth 4.0は単体では互換性なし。互換性を保つ為にはBluetooth 2.1や3.0を組み込み「デュアルモード」を装備する事が可能。
そもそもBluetooth 3.0は接続の安定性向上や通信速度の劇的な改善が行われているのに対して、Bluetooth 4.0は省電力に注力した仕様。このような事から必ずしも後方互換性が必須ではないとBluetoot SIGが判断した結果なのかもしれません。
このような事からBluetooth 2.1および3.0をベースとして開発されたソフトウェアをHTC One Xで動作させた際、Bluetooth 4.0で接続出来なかった為に3.0に切り替わり接続。この為に想定以上の長い時間がかかっているのでは..と想定して引き続き検証と調査をする事になりました。
プリンタに関わる仕事をしていると、通信規格、スマートフォンやタブレット、色々と新しいものが登場する度に検討すべき事が多い事を痛感させられる出来事でした。
参考リンク:
- Bluetooth SIG
- ふたつの新Bluetoothがもたらす近未来無線通信 – 価格.comマガジン
(ちょっと古い記事ですが、Bluetooth 3.0と4.0についてまとまっています)